『浜村渚の計算ノート』読後レビュー ※ネタバレなし

理系ミステリー

「数学xミステリーx可愛い探偵」の異色作

こんな人におすすめ

数学が好き、数学に興味のある人

今までと一味違った探偵を見たい人

あらすじ

「数学の地位向上のため国民全員を人質とする」。天才数学者・高木源一郎が始めたテロ活動。彼の作った有名教育ソフトで学んだ日本人は予備催眠を受けており、命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなりうるのだ。テロに対抗し警視庁が探し出したのは一人の女子中学生だった! 新時代数学ミステリー!! 

数学が規制された日本で国に対してテロを起こした数学者の事件を解決していく物語です。

ほとんどの日本人はテロリーダー高木源一郎の催眠を受けており、数学能力が高く、催眠を受けていないという厳しい条件に当てはまる中学生「浜村渚」が選ばれ警察に協力して事件を解決していく内容となっています。

内容は長野県で起こった連続殺人の被害者の共通点を数学から探る『ぬり絵をやめさせる』、薬品テロの犯人と薬品の在処を探す『悪魔との約束』、奈良県での大学教授誘拐事件を追う『ちごうた計算』、円周率で統率している海賊に潜入捜査をする『πレーツ・オブ・サガミワン』の4つの短編が収録されています。

おすすめ解説

数学が好き、数学に興味のある人

「浜村渚の計算ノート」シリーズは短編で構成されており、各話のトリックには数学の内容が使われています。

例えば、四色問題やフィボナッチ数列などがでてきます。

こういう問題だと難しいと感じる人もいるかもしれませんが、警察の人は数学が苦手な立場であり、トリックに使われている数学の問題を解説する場面があります。

なので、読みながら理解できないということはなく、むしろ数学に触れる良い機会だと思います。

今までと一味違った探偵を見たい人

本シリーズの主人公浜村渚は中学2年生の女の子です。

数学が異様に大好きなところ以外は普通の女の子で表紙絵のイメージそのものになっています。

お気に入りのさくらんぼのノートを持っていたり、「警察」を漢字で書けなかったり、社会が大嫌いで「社会嫌い、マジ、うざい」と言ってしまうような描写がありとてもテロリストに挑むようには見えません。

そういった意味では今まで出会ってきた探偵たちよりもかなり印象の違う存在であることは間違いないです。

もし、このキャラクターに惹かれたなら手に取ってみることをお勧めします。

感想

小中高と数学が一番好きな科目だったため手に取って見ましたが大当たりだったので紹介しました。

数学に特化した内容もほかの作品にない魅力ですが、それよりも浜村渚のキャラクターにやられました。

こんな探偵見たことないですからね。

本人は「事件を解決してやる」というよりはテロリストの出す数学の問題を興味本位でといていたら解決に繋がったという感じです。

作品の雰囲気も浜村渚の存在によってマイルドに作られておりとっつきやすい内容になっています。

数学の難解な問題も分かりやすい説明が入っているので数学が苦手だからといって敬遠することはないです。

コメント

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