『紅蓮館の殺人』(阿津川辰海)読後レビュー ※ネタバレなし

クローズドミステリー

こんな人におすすめ

  • クローズドミステリーを探している人
  • 高校生探偵の活躍が見たい人

あらすじ

山中に隠棲した文豪に会うため、高校の合宿を抜け出した僕と友人の葛城は、落雷による山火事に遭遇。

救助を待つうち、館に住むつばさと仲良くなる。

だが翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見された。

これは事故か、殺人か。

葛城は真相を推理しようとするが、住人や他の避難者は脱出を優先するべきだと語り――。

タイムリミットは35時間。

生存と真実、選ぶべきはどっちだ。

おすすめ解説

  • クローズドミステリーを探している人

舞台の紅蓮館こと財田家の周囲が山火事によって外界と隔離された状況で事件が発生します。

容疑者は館の中にいる、山火事が迫っており一刻を争うといった緊迫の状態で物語が進んでいきます。

裏切者は誰なのか、燃え盛る紅蓮館から助かるのかハラハラしたミステリーを楽しみたい人におすすめです。

  • 高校生探偵の活躍が見たい人

探偵の葛城は人の嘘を見抜くのが得意であり、素晴らしい推理力の持ち主です。

ですが、山火事が迫ってきたときに弱気になるなど精神的に幼い面も見せます。

完璧な推理と解決を求めるが、現実として成し遂げることのできないもどかしさと葛藤するシーンがあり、高校生であることの若さ、未熟さを感じます。

感想

探偵・葛城と助手・田所の心理描写が素晴らしかったです。

「・・・僕は、絶対に納得することができません」「それでも僕はー謎をとくことしか、出来ないんです」という葛城の言葉には自分の与えられた能力に対する辛さを感じることができました。

一方、犯人やトリックに関しては予想を大きく覆すような内容ではなかったのかなと思いました。

それでも葛城と田所のタッグは次作も読みたいと思わせてくれる内容でした。

『蒼海館の殺人』も読んでい公と思います。

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